ぬいぐるみは、可愛らしい見た目から捨てることにためらいを感じる人は多いでしょう。
とくに思い入れの強いぬいぐるみの処分は、必要に迫られてもなかなか気が進まないものですよね。
それでも処分しなくてはいけない場合は、しっかりと感謝を伝えて丁寧に供養することで悔いなく手放せるようになります。
当コラムでは、ぬいぐるみを供養して手放す方法やお手軽な方法、利便性の高い方法など、7つの処分方法をご紹介します。
さらに、お焚き上げ供養やぬいぐるみの修理についても解説します。
ぬいぐるみの処分に困っている方や、処分を急いでいる方、捨てることに抵抗を感じている方も、ぜひ当コラムを参考にしてください。
ぬいぐるみの処分方法を7つ紹介!自分にあう方法を見つけよう
ぬいぐるみの処分方法は、全部で7種類あります。
それぞれの特徴や、その処分方法に向いているぬいぐるみ、向かないぬいぐるみ、どんな人におすすめかを解説します。
神社やお寺でお焚き上げ供養してもらえば悔いなく手放せる
お焚き上げ供養とは、僧侶による読経、または神主による祈祷が行われ、その後対象の品物を焼いて浄化する供養方法です。
しっかりと感謝を伝えて丁寧に供養できるので、罪悪感や心残りを感じることも少なく、ぬいぐるみの処分方法としては最適です。
大切にしてきた思い入れの強いぬいぐるみや、どなたかの遺品である場合などは、この方法がおすすめです。
供養料の相場は3,000~10,000円ほどですが、いくらお納めするか迷ったらお寺や神社にお伺いしましょう。
ただし、供養料は基本的に品物1点ごとにお納めするものなので、たくさんぬいぐるみがある場合は高額になってしまいます。
加えて、電池や蓄電池で動くタイプのぬいぐるみはお焚き上げできない可能性が高いのでご注意ください。
※お焚き上げ供養については、3章にてより詳しく解説しています。
▶かかる費用:供養料相場3,000~10,000円
ぬいぐるみ以外の不用品もあるなら不用品回収業者に回収してもらう
不用品回収業者は、ジャンルを問わず幅広い品目の回収を行っています。
とくに大量のぬいぐるみを処分したいときや、ぬいぐるみ以外の不用品もある場合などは、この方法がおすすめです。
オプションサービスにはなりますが、ぬいぐるみの供養を行っている業者や、買取りしてくれる業者もあります。
業者選びにこだわれば満足度の高い処分ができるでしょう。
ぬいぐるみ1つだけの回収依頼なら割高になりますが、大量のぬいぐるみや他にも不用品がある場合は割安になる可能性が高いです。
▶かかる費用:単品価格相場/基本料金3,000円ほど+ぬいぐるみの料金500~3,000円*サイズによって変動
自治体の燃えるゴミに出す方法は、抵抗がなければ一番お手軽
布や綿で作られているぬいぐるみは、可燃ゴミとして自治体の回収に出すことができます。
心理的な抵抗がないのであれば、この方法が最もお手軽だと言えます。
自治体ごとに多少ルールは異なりますが、最大辺が30㎝未満であれば可燃ゴミとして回収してくれるところが多いです。
それ以上の大きさなら、粗大ゴミとして手続きを行い引き取ってもらうか、分解して可燃ゴミとして出すことになります。
電池や蓄電池で動くタイプのぬいぐるみは、手間ですが機械部分は取り外して不燃ゴミとして処分しましょう。
燃えるゴミに出したいけれど罪悪感を感じる、という方はお清め塩を使って自分で供養してからゴミに出すのがおすすめです。
※お清めのやり方は、以下の関連記事をご参照ください↓↓
▶かかる費用:可燃ゴミとして出す場合はかからない
粗大ゴミとして出す場合は100円~2,400円ほど*自治体、サイズによって変動
価値がある、状態が良いならリサイクルショップに買い取ってもらう
価値の高いぬいぐるみや、新しくてきれいな状態のぬいぐるみであれば、リサイクルショップに買い取ってもらうのがおすすめです。
捨てることに比べると心理的な抵抗感も少ないですし、売れれば臨時収入にもなります。
ただし、汚れや臭いがひどいもの、破損しているものなどは買取されません。
また、ブランドものや人気キャラクターの限定品といった希少価値の高いぬいぐるみ以外は値段がつかないことも多いです。
汚れの程度、タグの有無、付属品が揃っているか、なども査定額に影響します。
査定に出す前に、きれいに洗う、付属品を揃えることも意識してください。
▶かかる費用:かからない*査定料、出張料がかかる場合がある
少しでも収入につなげたいならフリマアプリやネットオークションで売る
フリマアプリやネットオークションを利用して、自分でぬいぐるみを売る方法です。
多少の傷や汚れがあっても、相手の了承を得れば売却できますし、予想以上の高値で売れることもあります。
ただし、売れるか売れないかは出品してみないとわからないので、処分を急いでいる人には向きません。
また、利用者が増加したことで、販売者と購入希望者との間でのトラブルも増えています。
フリマアプリやネットオークションを利用する際は、取引上のルールを守るのはもちろん、思いやりを持った対応を心掛けましょう。
▶かかる費用:梱包代や送料がかかる
NPO団体、児童施設などに寄付・寄贈すれば誰かの助けになる
各地にはいろいろなNPO団体があり、ぬいぐるみの寄付を受け付けているところもあります。
国内外の施設にぬいぐるみを送る、ぬいぐるみを再販し途上国の子供へのワクチン費用に当てるなど活動内容も様々です。
各団体のホームページから活動内容や実績などを確認し、支援したいと思えるところへ寄付するのがおすすめです。
また、幼稚園や保育園、児童養護施設などの施設へ直接ぬいぐるみを寄贈する方法もあります。
どちらの方法を選択する場合でも、いきなり送りつけるのは失礼になります。
まずは問い合わせて、寄付を受け付けてもらえるかや、ぬいぐるみを届ける手段を確認しましょう。
衛生面へ配慮し、寄付・寄贈するぬいぐるみは、きれいに洗って除菌しておいてください。
▶かかる費用:場合によって送料や寄付金がかかることがある
身近に欲しい人がいるなら、その人にぬいぐるみを譲る
ぬいぐるみを集めている人や子供がいる友人などが周りにおられるなら、その方へ譲るのも良い方法です。
相手の人柄を知っているからこそ、大事なぬいぐるみも「きっと大切にしてもらえる」という安心感から手放しやすくなります。
ただし、ぬいぐるみの譲渡を提案する際は、押しつけにならないように、断っても大丈夫な雰囲気作りを心掛けてください。
加えて、マナーとしてお渡しする前にぬいぐるみは洗ってきれいにしておきましょう。
▶かかる費用:かからない
ぬいぐるみを処分するときの注意点は3つ!分別・サイズ・汚れ
ぬいぐるみを処分する際に知っておいてほしい注意点が3つあります。
「機械部品は分別する」「大きなぬいぐるみは粗大ゴミ扱いになる」「寄付や譲渡の前はきれいに洗う」の3つです。
以下にて、わかりやすくご説明します。
●乾電池や蓄電池で動くぬいぐるみは処分前に分別が必要
ぬいぐるみの中には、機械部品が内蔵されていて電池や蓄電池で動くものがあります。
自治体の回収を利用する場合、このようなタイプのぬいぐるみは機械部品を取り外す必要があります。
ぬいぐるみ部分は可燃ゴミ、機械部品は不燃ゴミとして別々に処分しましょう。
●特大サイズのぬいぐるみは燃えるゴミではなく粗大ゴミに出す
自治体によってサイズ規定は異なりますが、大きなぬいぐるみは粗大ゴミ扱いになります。
その場合は、自治体へ粗大ゴミ収集の申請を行い、手続きを済ませておかなければいけません。
手数料分の粗大ごみ処理券を購入して、必要事項を記入しぬいぐるみに貼付けて、指定の日時に決められた場所に出しましょう。
●寄付や譲渡をする前には、ぬいぐるみをきれいに洗う
寄付や譲渡をするのであれば、相手への配慮としてぬいぐるみをきれいに洗ってからお渡ししましょう。
多少の汚れや臭い程度なら、何度か洗ってきれいに落とせれば問題ありません。
しかし、汚れや色褪せがひどい場合や、臭いが染み付いたぬいぐるみの寄付は断られてしまいます。
とくにタバコの匂いは落ちにくく、ヤニも付着している可能性が高いため寄付は諦めましょう。
また、ペットを飼っているお家のぬいぐるみも、人によってはアレルギー原因になるため寄付できません。
お焚き上げ供養って何?依頼先や申し込み方法をわかりやすく解説
動物やキャラクターなど、生き物の姿を模したぬいぐるみは、捨てることに抵抗を感じる人も少なくありません。
ましてや、長年一緒に過ごしてきた、大切な人からもらった、誰かの形見、といったケースでは手放すのは容易ではありません。
このように心情的に処分が難しい品を手放すのに最適なのが「お焚き上げ供養」です。
お焚き上げ供養は処分しづらい品を供養し浄化する儀式
お焚き上げ供養とは、僧侶による読経、あるいは神主による祈祷後に、聖なる炎で品物を焼くことで供養する儀式です。
仏式と神式で多少解釈は異なりますが、品物に宿った元の持ち主の思いや魂を供養するのが目的で行われます。
ぬいぐるみの他にも、遺品や写真、日記、お札、人形など、処分をためらう品がお焚き上げされています。
お焚き上げ供養には、他の人の品物と一緒に焼かれる「合同供養」と自分の品物だけを焼いてもらう「個別供養」があります。
また、お寺や神社によっては「人形供養」という名称で、ぬいぐるみも人形も一括で受け付けているところもあります。
お焚き上げ供養を頼めるのは神社仏閣、専門業者、不用品回収業者
お焚き上げ供養は、お寺や神社で依頼する他、お焚き上げ供養の専門業者を通じて申し込むこともできます。
また、一部ですが不用品回収業者でもお焚き上げ供養を受けているところもあります。
●お寺や神社に依頼する
まずは、お焚き上げ供養を受けてもらえるのかをホームページで確認するか、直接問い合わせてください。
申し込み方法やぬいぐるみの持ち込み方法はお寺や神社によっても異なるので、指定された方法に従いましょう。
多くのお寺や神社では、ぬいぐるみを直接持ち込むか郵送すれば受け取ってもらえるようです。
供養料は、お寺の場合は「ご志納」あるいは「お布施」、神社の場合は「玉串料」としてお支払いします。
相場は1点につき3,000~10,000円ほどですが、地域差もあるため、わからなければそれとなく尋ねても問題ありません。
●お焚き上げ供養の専門業者へ申し込む
お焚き上げ供養の専門業者へはインターネットなどで申し込むことができます。
依頼品のサイズに応じた箱や送付用配達伝票などのキットが用意され、そこにぬいぐるみを入れて発送します。
送られたぬいぐるみは、業者が提携する神社でお焚き上げ供養されるのです。
お焚き上げ供養が完了した証明として、供養証明書を発行してくれる業者もあります。
近所にお焚き上げに対応しているお寺や神社がない人には有難いサービスです。
費用は箱のサイズによって変動しますが2,000~8,000円ほどが相場のようです。
●不用品回収業者にオプションで依頼する
不用品回収業者の中には、回収品の供養をオプションメニューとして取り扱っているところがあります。
他の人の不用品と一緒に「合同供養」を行う業者が多いですが、「個別供養」に対応しているところもあるようです。
ぬいぐるみ以外の不用品の処分も検討しているなら、供養も可能な不用品回収業者を探してみましょう。
供養のオプション料金の相場は5,000~10,000円ほどのようです。
ぬいぐるみを捨てづらいと感じる人は多い!処分方法は世代によっても異なる
株式会社メモリアルアートの大野屋が「捨てづらいと感じるもの」について10代以上の全世代にアンケート調査を実施しました。
結果は、「親、祖父母、先祖から受け継いだもの(34%)」に次いで「人形やぬいぐるみなど人の顔、生き物をモチーフにしたもの(21%)」が2番目に多い結果となりました。
捨てづらい理由としては「思い入れがあるから(40%)」が、他の理由と比べて圧倒的多数です。
「人形類」の処分方法について尋ねたところ「可燃/不燃ごみなど地域のルールに沿って処分している(46%)」が最も多く、「慈善団体などに寄付する(17%)」「お寺に頼む、供養祭などに持ち込む(17%)」と続きます。
「知人などに譲る(9%)」や「フリーマーケットやリサイクルショップなどで売る(8%)」という人もそれぞれ10%弱おられました。
ぬいぐるみを捨てづらいと感じながらも、ゴミとして処分している人は意外と多いことがわかります。
しかし、寄付や供養を行っている人も多いところを見ると、物を大切にする文化を持つ日本人らしさが現れていると言えるでしょう。
一方で、0~9歳の子供を持つ世代を対象にした別の調査では、「リサイクルショップやフリマで売る」が全体の約30%と1位です。
また、「処分方法がわからず困っている」と回答した人も約18%いました。
供養や寄付をする方法は「大袈裟かな」「断られるかも」などのためらいが生じるのか、若い世代では8%ほどに留まりました。
これらを踏まえると、ぬいぐるみの処分方法に対する認識は、世代間でもギャップがあるようです。
ずっとぬいぐるみと一緒にいる選択肢もある!修理・クリーニング
「汚れや傷みがひどいから」などの理由で、泣くなくぬいぐるみを手放そうと思っているなら、捨てるのは早計かもしれません。
最近では、ぬいぐるみの修理やクリーニングを手がけるお店も増えています。
破れの補修、綿の入れ替え、染み抜きなど、卓越した技術で見違えるほどきれいにしてくれます。
思い入れの強いものや、大切な人から貰ったもの、誰かの形見など、これからも一緒にいたいぬいぐるみならこの方法を推奨します。
「ぬいぐるみ 修理」「ぬいぐるみ クリーニング」などでインターネット検索すると、対応してくれるお店が出てきます。
実際の作業工程やビフォー・アフターの写真を載せているところもあるので、お店選びの参考にすると良いでしょう。
まとめ
筆者は幼い頃から可愛い物が大好きでぬいぐるみもたくさん所有していました。
しかし10歳くらいのとき、自宅の改築を機にぬいぐるみのほとんどを処分することになりました。
私を慮ってか、母は全部捨ててしまうのではなく、状態の良いぬいぐるみを、私が通っていた幼稚園へ寄付してくれたのです。
子供たちに喜んでもらえると思うと誇らしい気持ちになり、悲しかった心が少し晴れやかになったのを覚えています。
ぬいぐるみは、周りの人が思うよりも持ち主にとっては非常に大切なものであることも多いです。
後悔することがないように、今までの感謝を伝えて納得のいく方法で処分してくださいね。